地獄の隣で、私は恋をしていた。深入りしないと決めた「大人の線引き」

夕暮れのカフェで、二つのコーヒーカップが並んでいる。窓の外には街並みが広がり、穏やかだけれどどこか境界線を感じさせる、大人の落ち着いた雰囲気。 地獄のち、晴れ。
あの時、彼と一緒にいる数時間だけが、現実の重さを忘れさせてくれる唯一のシェルターでした。

1. どん底の中の「丁寧な暮らし」

前回の記事で書いた「代価」を支払いながら、私は必死に生活を立て直そうとしていました。 転職したばかりの慣れない仕事。家賃を払うために必死に働く毎日。

そんな極限状態のなかで、私はなぜか家中をピカピカに掃除し、節約と食事をいかに綺麗に盛り付けるかという、謎の「丁寧な暮らし」に没頭していました。さらには、今思えば笑ってしまいますが、WEBで取れる「日本化粧品協会」の資格をポチったりして。

現実は1円も増えていないのに、何かを学んだり、部屋を整えたりすることで、崩れそうな自分を必死に繋ぎ止めていたんだと思います。

2. 深入りしない、させない「境界線」

そんな時、私には大好きな彼がいました。 彼もバツイチ。お互いに酸いも甘いも噛み分けた大人です。

彼と過ごす時間は、本当に楽しかった。適度に束縛され、やきもちを焼かれ、美味しいご飯を食べながら笑い合う。SNSの仮面も、生活の苦しさも、すべてを忘れて「ただの女」に戻れる、私にとってのシェルターでした。

でも、私は一つだけ、自分のルールがありました。 「彼のことを深掘りしないし、自分の人生にも深入りさせない」

3. 娘との人生を守るための「流儀」

冷たかろうがなんでもいい。でも、これが私なりの「誠実さ」でした。 私には、何があっても守らなければならない娘との生活があります。自分の人生の失敗や、これからの不安定な未来に、中途半端に人を介入させたくなかった。

彼との関係は、お互いに責任を取らない「都合の良い関係」だったのかもしれません。 でも、当時の孤独だった私にとって、その距離感こそが、娘との日常を壊さずに自分を保てる、唯一の正解だったんです。

4. 最後に:嵐の前の静けさ

「大好き」という言葉をたくさん伝え、彼もそれに応えてくれる。 そんな穏やかな時間が1年ほど続きました。仕事にも慣れ、ようやく少しだけ息がつけるようになった……そう思っていた矢先。

私の知らないところで、もう一つの「代価」を支払う時が近づいていました。 (次回、突然の別れについて書きます)


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